ベネズエラ地震について
2026年6月24日(現地時間)、ベネズエラで巨大地震が発生しました。震源は首都カラカスの西方約170キロ、沿岸から約30キロ内陸の横ずれ断層で、1回目にⅯ7.2、更にその約40秒後にⅯ7.5と、立て続けにM7クラスの地震が発生しました。首都カラカスや沿岸のラ・グアイラ州を中心に多数の建物が倒壊し、死傷者は数千人規模とるなど、ベネズエラでは100年以上で最大級の地震災害となりました。
まだ被害の全容は明らかになっていませんが、今の時点でSentinel-1のSLCデータを使って、首都カラカスの地盤面の変位を測定してみました。

南北方向に干渉縞が見えます。図中の点線に沿って変位幅をグラフにします。

北部が隆起し、南部が少し沈下したようです。図のとおり、きれいな線形で傾いたことが分かります。変位幅を数値化してみます。北端の50か所の変位幅の平均と、南端の50か所のものを求めました。
北端:+7.8㎝
南端:-4㎝
以前も書いたことがありますが、この変位幅は水平変位と垂直変位からできています。

今求めた変位幅は、cの長さです。cの変位をaの水平変位とbの垂直変位に分解してみます。
射入角(incidence angle)は、ダウンロードしたSLCデータから、36.57021と求めることができました。従ってθは53.42979になります。
後は上の図の式を使って、
a=sinθ×c
b=cosθ×c
するだけ。
求められた水平・垂直のそれぞれの変位幅をグラフにしてみました。

北端部と南端部のそれぞれ50地点の平均です。
水平変位
北端:+4.64㎝
南端:-2.20㎝
垂直変位
北端:+6.25㎝
南端:-3.00㎝
金沢市が+約2㎝から-約2cm、青森市が±0㎝から+1.5㎝であったことを考えると、垂直変位だけ10㎝近く変位したベネズエラ地震のエネルギーが、いかに凄まじいものであったかが分かります。
