自然言語処理 NLP
前回は被災地「珠洲市」の感情表現の推移を見てみました。
最終回は、ツイートに現れる特定の語の推移から復旧作業などの進捗状態をつかむことができるか頑張ってみます。
あまりたくさんの語を使用すると、グラフが見にくくなります。そこで今回は「避難所、仮設住宅、断水、ボランティア、解体」の5語を使って、単語の使用頻度がどのように変わっていくのかを見てみます。
まずは、避難所と仮設住宅。
地震発生時には仮設住宅などありませんので、2024年1月は避難所が圧倒的にたくさん出現します。途中凸凹しますが2024年8月から仮設住宅と避難所の頻度が逆転し、現在に至っています。2024年8月末には要望戸数6,804戸のうち、 6,262戸が完成予定でしたので、大体時期はあっています。ちなみに全戸完了して避難所が閉鎖されたのは、2005年3月でした。
次に、断水、ボランティア、解体を見てみます。
水道の復旧工事は、最優先に急ピッチで進められており3月以降は「断水」の使用頻度は順調に少なくなて行きました。しかし、2024年9月の豪雨で断水地域が発生したことで、「断水」の使用頻度が再び高くなり、その後減少していきます。
解体は、まず4月以降は私たち不動産鑑定士も協力して2次住家被害調査を行い急ピッチで調査が進行したことで6月をピークにした山が一つあります。そして10月の山は公費解体が10月に急増したことによると考えられます。
最後にボランティア。
地震発生直後から、自発的なボランティア活動がすぐ始まりました。また珠洲市災害ボランティアセンターが開設されたのは、地震の翌日の2024年1月2日。2月以降は、ボランティア募集は石川県災害対策ボランティア本部に一本化され、組織的に派遣できるようになりました。ここで「ボランティア」語が急増しました。震災の跡片付けが進むにつれて、ボランティアの必要数が減少し、「ボランティア」の使用頻度は減少しました。しかし2024年9月の豪雨で、泥描きや家財の搬出等の人出が必要となり、再び増加することになりました。
人間の言語活動をたくさん集めることで、何が行われたか、その強度はどの程度かなど、人間の行動の痕跡をほじり出すことができそうですね。
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