前回に引き続いて、能登半島の先っぽの自治体「珠洲市」に関するTwitterを使用して、投稿者の感情の変化を可視化してみました。
まずは「Koheii」さんが公開している学習済みモデル「bert-japanese-finetuned-sentiment」で、各ツイートをポジティブ、ネガティブ、ニュートラルに分類しました。

上の図は、各月の全投稿に占めるポジティブとネガティブの比率の推移を表しています。
ネガティブな投稿は地震が発生した2024年1月に上昇し、その後2028年8月まで緩やかに上昇し、その後低下しています。ポジティブな投稿は2024年1月以降緩やかに上昇し、2024年8月以降はやや増加率が高くなっています。
震災なのにポジティブというのも変な感じがしますが、例えば「がんばろう」とか「応援しています」などがツイートに含まれると、ポジティブに分類されているようです。地震発生当初は応援ツイートが多く、2024年8月以降は復旧工事が具体的に目に見えるようになったことによるものではないかと想像しています。
つぎに、もう少し細かく見てみます。
今度は「みずいろ桜」さんが公開している事前学習モデル「luke-japanese-large-sentiment-analysis-wrime」を使用して、感情分析を行います。
このモデルは、各ツイートを「うれしい、悲しい、期待、驚き、怒り、恐れ、嫌悪、信頼に分類してくれます。

ここでは、震災後の感情を理解しやすいように「うれしい」を「救助・支援で嬉しい」、「恐怖」を「不安」を置き換えています。
地震からおよそ1年半経過しましたが、なんとなく変化が見えるのは
救助・支援で嬉しい
と
不安
でしょうか。
「救助・支援で嬉しい」ツイート率は約0.30から0.44へと上昇、「不安」は約0.20から0.06と3分の1以下になっています。
ここからなんとなくですが、復興事業は進んでいて投稿者の感情もポジティブな方向に振れていることが理解できます。
あとは、このペースが東日本大震災や熊本地震の時と比較して早いのか遅いのか。
これは一人でやるにはちょっと手に余るので、また機会があればチャレンジしてみたいと思います。